ここではStudyingを使った一次試験の効果的な勉強法を紹介します。
①とにかく回転させることが重要
エビングハウスの忘却曲線の話がStudying公式ページでも紹介されていますが、広い出題範囲の知識を頭に詰め込むためには、とにかく回転させる(同じ問題を何回も解く)ことが重要だと思います。
ポイントは2つあります。
- 間違った問題はサラッとおわらずに「次は絶対間違わない」という意識でその解答の覚え方、仕組みをしっかり理解すること。
⇒間違った問題をサラッと終わらると、何回転しても思い出せません。 - 正しいもの・誤ったものが分かるだけではなく、選択肢全てについての知識を習得する。
⇒問題数分の知識だけをINPUTするのではなく、選択肢分の知識をINPUTして初めて診断士試験の出題範囲を網羅できます。
間違った問題をサラッと終わらせて良いのは1回転目だけ、とすることをオススメします。
1回転目は全体を網羅することで出題範囲の把握ができること、全体の勉強時間が想定できることなど、得るものが多いのでスピード重視で終わらせて良いと思います。
回転対象はStudyingのスマート問題集よりも過去問セレクト演習に注力することをオススメします。
理由は、スマート問題集は実際の問題より難易度が低い&独自の問題であり出題されるレベルではないためです。
過去問をベースにINPUTすることが一番の近道であるというのがStudyingもその他の対策本もほぼ共通している点です(逆に、最新の技術情報が出題される経営情報システムはこの点、過去問・Studyingが役に立ちにくいと感じました。その対策は④で後述します。)。
2回転目以降は過去問セレクト演習で間違った問題を中心に「要復習に追加する」ボタン(下図)でチェックを入れた問題だけ(復習モード)を対象に回すことをオススメします。そうすることにより、自分が苦手なポイントに集中して復習することができます。
特に試験1・2か月前の期間はこの問題絞り込みが力を発揮するはずです。
また、4択が正解しても、4択全ての間違っている理由も含めて、全選択肢の正答理由が分からなかった場合は「要復習に追加する」にチェックし、復習対象にしましょう。そうしないと必要最低限の学習範囲すら網羅できていないことになります。あくまでも全選択肢の正答理由が分かることを目標として学習を進めることをオススメします。
②間違った問題のうち、覚えられないもの・忘れそうなものはマイノート機能にメモ
①で書いた間違った問題については、その単語、仕組みなどをマイノート機能にコピペしておくことをオススメします。
これを積み重ねていけば、科目ごとに自分の弱点がまとまったメモ&スキマ時間に見直す復習用メモ&試験当日の休み時間に見直すファイナルペーパー(FP)が出来上がります。
マイノート機能の効率的な作り方、使い方については別途紹介していますのでこちらを参照ください。
③解説・解答を見ても理解できない場合はネットで調べる
Studyingの解説・解答を見ても理解できない問題も出てきます。
その場合はネットで調べて自分が理解できる情報をコピーして、マイノートに張り付けましょう。図も文章もコピーできるので(図のコピペが出来ない等、スマホ・タブレット・PCで微妙にマイノートの機能が違うので注意)自分の理解にあった情報を選びましょう。
ただし、深入りしないこと。①で紹介した回転・スピードを落とさないようあまり深入りして周辺知識までマイノートに入れるような対応は後回しにしましょう。
何回転かした後に、どうしても理解が浅いと感じた時に初めて深堀り・周辺知識の補強をする、という方針をオススメします。
④自身の得意不得意・Studyingの得意不得意を踏まえて勉強する
私はStudyingの回し者ではないのであえて厳しく言います。
Studyingは効率的に中小企業診断士試験の勉強ができる優れたツールだと思う一方で、弱点(不満)もあると感じています。
具体的には、経営情報システムのように新技術や新たな法改正の情報が必要となる科目です。Studyingは過去問をベースに頻出するテーマから問題を厳選しツール化しています。そのため、新たな技術などは問題として出てこないわけです。結果として過去の古い経営情報システムに係る問題ばかりを扱う場合があります。
実際、一次試験直後のStudying「勉強仲間」で投稿されたコメントで多くの受験者から「こんな古い技術に関する問題ばかりで構成して、新たな技術情報が勉強できないStudyingは使えない」と厳しい声が寄せられていました。
これは私も同感です。「過去問ベースに効率的に勉強する」という戦略は良いと思うのですが、その場合、どうしても経営情報システムのような新情報が必要となる科目に対応できないのがStudyingの弱点です。
この科目が得意な受験生は優位ですが、そうではない人は他の科目で何とかフォローするしかないのが現状だと思います。
また、中小企業経営・中小企業政策についてはStudyingの出題問題数が少ないため、私は別の問題集「中小企業診断士試験 過去問完全マスター 7 中小企業経営・政策」を購入しこちらを3回転することで70点以上取ることができました。
科目 | 筆者の特徴 | Studyingの特徴 | 自分とStudyingの特徴を踏まえた戦略 |
①経済学・経済政策 | △ | 〇 | Studyingに頼ってたら力つく |
②財務・会計 | △ | 〇 | Studyingに頼ってたら力つく |
③企業経営理論 | 〇 | 〇 | Studyingに頼ってたら力つく |
④運営管理 | △ | 〇 | Studyingに頼ってたら力つく |
⑤経営法務 | △ | △ | Studyingに頼るしかないが、 Studyingは法改正など新しい動きに弱い |
⑥経営情報システム | 〇 | × | Studyingは法改正・新技術など新しい動きに弱いため不得意な人は厳しい |
⑦中小企業経営・中小企業政策 | △ | ×~△ | Studyingは問題数が少ないため、大量の問題を解くことで記憶したいタイプは別途問題集が必要 |
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